ヌーバス 真詩

そういうポエムじゃない。真詩まうたという小難しいやつなのさ

今のところ

nuubasu真詩




【今のところ】




息を潜めて


うかがってるだけかい


だとしたら


今のところ





正直なのは





ニワトリだけだ






たすけてぇぇぇぇぇ






nuubasu真詩

草蝉

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【草蝉】




南城市の


裏の丘に


草蝉


その蝉はとても

小さい


ある日


草蝉を


両手で

包んだ


持ち帰ろうかと



しかし両手を開いた


草蝉は飛んだ



僕は


海へと続く坂道を降りた




あの日


僕は


飛翔という

みやげを



持って帰ったんだ






nuubasu真詩

ほんとうの言葉

nuubasu真詩




【ほんとうの言葉】




自動販売機に

コインを入れる


落下して

音ひびく


その音は

コインと自動販売機の


双方の音


ではなく


俺の音だ


だから


俺が

遠吠えで

聞かせる



俺の声は


君の


たましいだ




御覧


誰かが


いつか

解き放った


声の


ようにして


雲が

漂っているよ


誰かの言葉に頼ってばかりいないで


君のほんとうの言葉を

解き放とう


あの


雲の下で


君を待つ






nuubasu真詩