ヌーバス 真詩

そういうポエムじゃない。真詩まうたという小難しいやつなのさ

2018年8月のブログ記事

  • 原初の気持ち

    nuubasu 【原初の気持ち】 たけ高き建造物の バルコニーに 群衆 しきりに 海を見下ろす 原初の生誕を 何度でも 確認 している いま 空から原初が 降りてきて 群衆を 素通りする nuubasu

  • いまどこかの

    nuubasu 【いまどこかの】 いまどこかの 砂浜に 波が寄せて いま私の心に 悲しみが届く 私は 悲しみの意図を追わない ただあなたの声を探す いつも どこにでもある あなたの声を nuubasu

  • 彼らの速度

    nuubasu 【彼らの速度】 歩幅を合わせて 彼らは出掛けた 嘘から溢れた 嘘の例えに習って 彼らは急ぐ 彼らは急ぐ 彼らの速度は とても悲しい nuubasu

  • 島バナナ

    nuubasu 【島バナナ】 ある日 島バナナ 道の果てに あらわれて ひとしきり 場を賑わす 努力して くふうして 賑わいを与えた 当然の賑わい として 聴衆は受け取った ある日 島バナナは言った 君たちは 島バナナじゃない 聴衆は やがて 言った どこかに 愉快な林檎が いるらしい 君たちは ... 続きをみる

  • 丘のそら

    nuubasu 【丘のそら】 日が照れば 日が照る丘と なりにけり 雲海を 棚引かせつつ なだらかにして ゆたかなりけり nuubasu

  • あてのないアンテナ

    【あてのないアンテナ】 川を渡り 低い柵を越え 高い虚空を避け 小さな声に頷き 大きなやさしさに誘われ はるかな門をくぐり あてのない アンテナは行く nuubasu

  • 山道

    【山道】 山で 行き止まり じゃない 山が 寂しさだとしたら 寂しさに含まれる道は豊かだ 雨が降っている 山の奥 山の麓 鳥たちの声 豊かな声 nuubasu

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  • ビル群

    【ビル群】 巨木から 生まれた果実 抱き上げて 高く掲げて にこやか 明け方の バス停で 待っていた 大きな女は そういう女だった nuubasu